就職紹介状の書き方や例文・文例・書式や言... | 文章や手紙などの書き方　書き方ラボ

就職紹介状を大企業の人事課が発行するケースは少なく、プライベートで親交のある人が、個人的に人柄を認めている人材を会社に紹介する際に使用します。中小企業同士でのやり取りに使われると言っても過言ではありません。書き方には決められた書式や雛形はなく、手紙形式やビジネス書式等様々です。例文を参考に、貴方が信頼する人材を是非相手の会社に紹介して採用を促してください。

手紙形式の場合、「拝啓」から始めて通常の時候と相手への挨拶をして、本題に入ります。結びの言葉には、〇月〇日に本人が御社に伺いますので、面接して頂き、採用のご検討を何卒よろしくお願い致します。と締めましょう。無駄な話題に触れず、端的明確な文章を心掛けます。紹介する本人の特徴や長所を1つでも多く書くと、より効果的な就職紹介状になります。

〇病院院長〇〇様拝啓桜前線が津軽海峡を渡ろうとしております。平素は格別のご厚意を賜り御礼申し上げます。さて、私の教え子で東京の〇大学病院〇科で医師を１０年務めた〇〇と言う者が、結婚して住まいを移す事になりました。大変優秀で優しい生徒です。引き続き現場で誰かのお役に立ちたいと申しております。つきましては、〇〇先生の病院医師募集の際には是非お声掛け頂けると幸いです。書面で失礼ですが、取り急ぎ〇〇の紹介とお願いまで。草々〇〇医院院長〇〇

医師同士のやりとりの文面です。端的ですが、内容は明確です。これを看護師長が目にするかも知れませんし、事務担当者が読むかも知れません。誰が読んでも優秀な人員の紹介文である事が分かります。直ぐに勤めさせて欲しいという内容でなくても、この例文の様に人柄紹介の意味でも就職紹介状は使われます。経歴だけでなく、人物像に触れている点も高い評価です。

〇建設社長〇〇様いつも大変お世話になっております。先日の〇〇工事の件につきましてはご協力頂きお蔭様で工事が期限内に完成しました。改めて感謝申し上げます。さて、知り合いの息子で〇〇（名前）、１８歳がこの度高校を卒業し、大工の道に進みたいと希望しております。〇社長の元で修業を重ねて立派な大工になる逸材だと見込み、住込みで面倒を見て頂く事をお願いしたくペンを取りました。来週、本人を連れて伺いますので、何卒ご検討の程よろしくお願い致します。〇建築株式会社〇〇（氏名）

中小企業の知り合い同士の紹介状です。どのケースの場合も、紹介状で即採用と言う事はありません。就職を希望する人物がいる、という会社と人を繋げる書面です。面接と採用の合否は後日改めて教えて欲しい旨を添える事で、相手も考える余裕と準備が出来て良いでしょう。全く見ず知らずの人が就職を希望するより、このような紹介状が１枚あるだけで随分印象は違います。

平成２７年７月吉日〇小学校人事ご担当者様〇小学校教頭〇〇（氏名）教諭紹介につきまして御校益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます。さて、標記の件につきまして、当校で６年間４年生から６年生を担当しておりました教諭〇〇が、家庭の事情で〇県に引っ越しする事となりました。姉妹校である御校への転任が可能か否か、ご検討頂けませんでしょうか。結果を〇月〇日迄に当校人事担当の〇〇宛てご連絡お願いします。ご多忙の中お手間取りますが、何卒よろしくお願い致します。以上

私立小学校間の紹介状です。教諭等の専門職では、特に即戦力は有り難い存在です。県立小学校は文科省認定の県職員なので有り得ない相談ですが、私立小学校ならではの依頼文です。個人で直接採用を依頼するより、遥かに効率が良い方法だと言えます。文面で分かる通り、面識はない間柄での紹介状の場合、書いている人物の肩書や経歴も重要です。この場合、〇小学校の教頭が書いている、ビジネス要素の強い文面になっています。

〇様拝啓先日のお花見会では弊社社員も一緒に大変楽しい時間を過ごさせて頂きありがとうございました。さて、現場作業員が人員不足で困っていると伺いましたが、〇（氏名）と言う４５歳の男性が就職先を探しています。地元の後輩です。フォークリフトの免許と経験があります。家族はなく独身です。穏やかでいい人なので、是非採用を検討してください。彼の履歴書を同封します。追って連絡をお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。８月吉日〇〇（氏名）

かなり親しい間柄でのやり取りです。出来るだけ早急に就職口を見つけたい場合には、このように紹介状と併せて履歴書を送るケースもあります。お互いの関係性にもよりますが、次の連絡を相手に委ねる場合は、その旨も一緒に明記しておきましょう。紹介状だけ送りつけて、次のアクションの方法を記さないのは失礼に当たります。基本的には依頼した側から、今後一連の流れを示唆するのが礼儀です。

平成２７年７月１０日〇県ハローワーク担当〇（名前）様〇県〇市ハローワーク〇〇（氏名）お世話になります。同封した履歴書の〇〇氏に、就職先の斡旋をお願いしたく存じます。学生時代からコンピュータのシステムエンジニアとして活躍した経歴を活かした就職先を希望します。こちらのシステムでは〇県の情報を閲覧出来ない為、幾つか情報を頂けると幸いです。それを元に、本人から予約した上で、御社に来月伺います。何卒ご協力よろしくお願いします。草々

ハローワークを介した就職も多い昨今、このような都道府県を跨いだ就職活動では用いられるケースもあります。事前に登録して利用するシステムなので、遠方での就職活動は難しのが現実です。職員に頼み、一筆書いてもらうと良いでしょう。近年は人材紹介を商いにしている派遣会社も多いですが、登録料はない代わりに、就職先からのキックバックを求められます。ハローワークを活用した方がメリットが多いケースもある事を覚えておきましょう。

就職紹介状を書くにあたり、専門用語や言葉はありません。誰に見られても良い文章や文体で書く事が理想です。相手の企業や会社で、貴方が書いた紹介状を回し読みして人事選考の参考にするかも知れません。１人に宛てた書面ではなく、企業や会社全体に対する書類だと認識しましょう。自分の社会的地位を利用して書く場合、（面識のない）相手に対して自分の履歴や紹介をする事も必要になります。

貴方より社会的地位が下の人、立場が格下の人に対しても、無礼な書き方にならないよう、謙虚さを持って書く事が大切です。就職紹介状を書ける人は、ある程度の権力を持っている人が殆どです。自分の権力や権限を振りかざしてはいけません。人望のある貴方が認めた人材を紹介する、貴方にも責任のある書面です。本当に信頼出来る人材か否か、作成する前にもう一度人物をよく見直す勇気も大切です。

就職紹介状で自分の事を書く事は有り得ません。然るべき人が「この人なら立派に働いてくれますよ」という視線で書くものです。決して上から目線にならず謙虚に、自分の推し進める人材のポイントを分かり易くまとめる事が大切です。紹介状を書く前に、その人物の特徴や長所を理解しておく事が必要です。責任を持って相手に人材を紹介する、非常に重要な文章であると理解しましょう。