新聞記事感想文の書き方や例文・文例・書式... | 文章や手紙などの書き方　書き方ラボ

新聞を教育に役立てる取り組みが、小、中学校で行われています。新聞を作る側も、子ども向けにページを設けたり、別冊を作ったりしています。新聞を使った課題を要求された場合、何を書けばよいでしょうか。新聞記事感想文は、新聞を読み、考える癖をつけさせようと狙っています。日々起こるあらゆるニュースから、関心があるものを選び出すことができれば、ほぼ成功です。テーマを見つけるのが重要です。

まず、「感想文」であることに注目します。。求められているのが｢感想」である以上、その記事を読んで何を感じたかを独創的に書ければOKです。個人の感じ方に正解も不正解もありません。自由です。しかし、書き出しは動機から始めましょう。そして、何を感じたか、どこが関心を惹いたのか、具体的に書きます。論文のように「結論」が必要ではないのですが、何かしらの答えで終えると、文章が締まります。

新聞記事感想文を書き始める前に、新聞を読みましょう。課題に期間が設けられている場合は別ですが、少々古い記事でも構わないでしょう。その場合、当時の状況、時代背景や現在との違いも書く必要があります。文字数などに制限がある場合、気をつけましょう。状況説明ばかりでは、感想文ではなくなってしまいます。今日の新聞から古新聞まで、これ、と言う記事が見つかるまで探しましょう。図書館には、何年も前の新聞もあります。

良い感想文を書くためにはこれが最重要になります。特に書くことに慣れていない場合、題材によって書きやすさが違ってきます。身近な内容の記事が最適です。逆に、今は分らないけど調べてみようと思っていたことも、良い題材になります。書くことに自信があれば、「自分が生まれた日の新聞」から選ぶなど、時代背景に着眼するのも面白いです。様々に視点を変えて探しましょう。必ず見つかります。

題材が決まったら、それを選んだ理由から文章にしていきます。世界的に活躍しているアーティストの対談記事を選んだ場合、例文としては「彼女の世界観を、表面的にではなくもっと深く知りたいと感じました」など、具体的に書きます。違う視点から選んだ場合の例文です。「どうして奇抜な衣装を取り入れるのか、彼女の気持ちが理解できません。そこにどんな意味があるか、探したいと思い、対談を読みました」となります。

普段から自分が何を感じているか、意識してみると良いです。普段は無意識に流していますが、意外と色々なことを感じています。それを言葉にするのが感想文です。基本的に内容は自由です。ポジティブな感想でも、逆にネガティブでも良いのです。ただ、手紙ではありません。特定の誰かしか理解できないものではなく、広く一般を相手にした文章を心がけましょう。

動機を表すことができたら、そこから内容を広げていきます。記事の中に注目した言葉や写真があれば、そこをきっかけにしましょう。例文を示します。「彼女がしきりに『表現』と言う言葉を使うことが気になりました」「1対1の対談を、こんなに派手な装いで受ける必要が、どこにあるのでしょう」と言った、これから話を膨らませることを念頭に置いて言葉を選びましょう。

感想文には決まった雛形や書式がありません。基本的に自由に書いてよいです。何を感じて何を思いついたか、どう表現するかも自由です。しかし余りにも個人の意見を断定してしまうと、文章が膨らんでいきません。これから文章を進める上で有利になるよう、振れ幅を持った感想を使っていくのがポイントになります。話の膨らみとは、筋を中心に置いて文章を進めることです。ただ言葉数を増やすことではありません。

文章を豊かにすると言う意味で、記事を読んで新たに分ったことを使うのは良い方法です。驚いたことも使うと良いでしょう。「活動を始めた頃、それについて家族から反対されていたと知り、驚きました」「初めて奇抜な格好で人前に出た日のことは、自分なら絶対にありえないので想像ができませんでした」など、その後、「困難を乗り越えたとき」や「どうして奇抜な衣装を好むかの理由」へ、自然につなげていく形になります。

感想文とは、自分の心がどう動いてどこに降り立ったかを、言葉で表現することです。心が何かを捕らえて動き始め、どこを歩み、あるいは飛び跳ねたのかが、第三者に分るように書き記すことができれば成功です。余りにも「飛躍」しすぎると、まとまりに欠けた文章に仕上がりますので、心が動いた軌跡が読めるように書くのがポイントです。個性的であるほど良いでしょう。

感想文の終わり方は決まっていません。論文のように結論が求められるのではないのですが、よく言われるものとして「起承転結」と言う文章構成があります。動機を「起」、主題を「承」で展開し、逆説「転」で揺り動かし、「結」でむすびます。書き終わりの例文としては、「困難があったからこそ、自由な表現をしているのだと感じました」「より多くの人へ伝えたい思いがあったのかも知れません」と言う締めになります。

心の持ちように正解はありませんので、もやもやとした気持ちのまま、落ち着かない、と言う書き方さえありえます。動機に始まり、心が何を感じながらどこをたどってきたのか、今どこに落ち着いたのかを書き表せればよいのです。結論を持たない感想文の場合、その主題についての今後を示すことをおすすめします。「これから彼女に注目する中で、答えが分るかも知れません」と言う内容のものです。

動機と言う言葉は、心の動き始めのことだと考えて下さい。人は誰でもものを考え、感じて生きていますが、自分の気持ちは余りにも身近で、近すぎて見えないもののようなのです。感想文を書くにあたり、自分の気持ちがどこから生まれてどう動いたかに注目してみて下さい。課題だから書く、と言う以上に、自分を知ることにつながり、役立つものかも知れません。

現在、ネットニュースが広く読まれるようになりました。新聞各社もネット内に新聞を掲載しており、そちらから記事を選ぶ、と言う選択もあるかも知れません。しかし新聞には「データ」としての記事であるネット情報に勝る点があります。紙面は現実です。実体験としての「読む」行為が脳に与える、何らかの影響があるように思えます。記事は、紙面から選んで欲しい。個人的にはそう感じています。

新聞記事感想文を書くことで、まず新聞を手にすることになります。次に読むようになり、ただ読むのではなく、感じながら、考えながら読むことを獲得していきます。新聞は、日々世界で起こっている事象を、分りやすく教えてくれる、大切なツールです。それは素晴らしい教材であり、人生のどの時点でも役に立つものです。新聞には学校で学ぶ教科のほとんどが詰まっています。もっと上手に活用したいですね。