ファンレターの書き方や例文・文例・書式や... | 文章や手紙などの書き方　書き方ラボ

テレビや雑誌を見ていると、意識していなくても気になる役者さん、アイドルやスポーツ選手などが現れるものです。自分には届かない夢の代役として、また憧れとして、さらに目標の人物など、ときめくポイントは様々だと思いますが、そんな方に気持ちを伝えたくなったことはありませんか？手書きでファンレターを書いて上手に気持ちを伝え、憧れの役者さん、アイドル、アスリートを応援しましょう。

書き方のコツとして上げられるものは、「もらう側の立場になって考えてみる」と言うことです。闇雲に大好きです、と書き連ねても伝わりにくいのがファンレターです。具体的に何がよいのか、どうするともっと良いかなど、読み手が嬉しくなることだけではなく、今後の活動に参考になることや、励ましになるような言葉を使いましょう。決まった書式や形式にとらわれる必要はありませんが、ルールやモラルは必要です。

ファンレターを送りたい、と言う場合、ネットツールを使って送る手段も手軽でよいですが、現在はこの方法が主流になっていることを考えると、むしろ手書きで送ると面白いかも知れません。普段はブログにコメントを上げて、特別に思うことがあった場合にファンレターを送る、と言う方法も効果的でしょう。その場合、「いつもはブログにコメントをしています」と一言添えるとつながりが生まれます。

残念ですが著名人の方々は、非常に忙しい日々を送っている場合が多いので、頻繁にメールやコメントをチェックしているとは限りません。それはファンレターも同じです。送ったから読んだはず、と勝手に考えるのではなく、あくまでファンレターですから、一方通行の場合が普通、と覚悟して送りましょう。そこにもし返信が届けば、大変嬉しいサプライズです。ますます応援してあげましょう。

まずは大前提として、丁寧に書くことに気をつけましょう。下手な文字でも手書きで送ることに意義があるのですから、時間をかけて書きましょう。読みやすく書くポイントは、文字列を詰めないことです。行間を取らずに書く癖がある方は、特に意識して、1行空列を設けるつもりで広々と書きましょう。ごみごみした文字を読みたくなるでしょうか。すっきりと読みやすいものを届けましょう。

選ぶ用紙や筆記用具も吟味しましょう。現在は多彩なレターセットが販売されています。メールばかり、と言う方は一度文具店を訪れてみましょう。面白いもの、かわいらしいもの、たくさんあります。送る相手の方を思って、楽しんで探しましょう。ペンは、書きやすいものが一番です。色は黒がよいでしょう。カラーを取り入れる場合は、しつこくならないように３色程度までにしましょう。

ファンレターには、ご自分の紹介を入れましょう。もし知らない方から手紙が来たらどうしますか？少なからず警戒してしまうでしょう。誰でも同じです。どこに住み、何を学ぶ学生で、あるいは仕事が何で、何をきっかけに手紙を書くことにしたか。誠実に書きましょう。個人情報が売り買いされる時代ですから、危機意識も必要です。どこまで書くかは個人の判断に任せますが、住所や名前を書き入れなければ、当然返事は来ません。

返事はいらないなら、ニックネームでのファンレターもOKです。むしろ返事を期待しない、純粋な応援ですから、喜ばれるのかも知れません。加えてもし、何度も手紙を送っているのであれば、その都度自己紹介をするのはおかしいものです。簡単に、「ヨコハマの３０代の一ファンです」など、簡単なニックネームで送るのも良いと思います。長々と自分のことを書くよりも、応援したい方へのメッセージに重点を置くべきです。

では次に、内容をどう書けばよいでしょうか。例文を見てみましょう。「8月に放送していたドラマを見て、とても好きになりました」など、好感を持ったきっかけから始めると、書きやすいです。「歌っているシーンが感動的で、音楽活動にも挑戦して欲しい」や、「もっと悪役っぽい演技も見たくなっちゃうくらい、演技に引き込まれました」など、「ちょっとだけエッセンス」を加えましょう。

｢かっこよかった」｢可愛かった」とほめてあげるだけのお手紙はありきたりです。少しひねって、応援している相手が今後の活動に役立てられるような情報を入れましょう。そういったアイデアは、今より少しだけ未来を想像してみると浮かびます。プロ目線は必要ありません。役者さんもアイドルもスポーツ選手も、ほとんどのファンは素人です。むしろ素人目線での率直な意見を大切にしています。

何もほめるばかりがファンレターではありません。良くない部分を指摘してあげることで、今後に生かすことができ、良い結果につながります。「情報番組で、ちょっと気になる発言をしていました。その発言で傷ついた方が近くにいました。配慮が必要だったかも知れません。」など、あくまで客観的に言葉を選んで指摘します。この時に感情的になると、あまり好ましくない文面になります。

応援しているからこその指摘ですから、相手の耳にすんなり入るよう、こちらも配慮しましょう。コツとしては、「第三者目線」に落とすことです。もし相手の発言で傷ついた本人だった場合でも、あえて本人目線を避け、それを外から見た発言にまで立場を落とします。そうすることで書き手も客観的になりますし、相手も冷静に受け止められます。感情的に思いをぶつけても、決して良い結果は生まないものです。

ファンレターは個人的な手紙ですから、決まった形式や雛形はありません。しかし、何度か書くうちに自分のスタイルが生まれてきます。文章は、慣れで上達します。語彙力が上がり、表現力が磨かれれば日常生活にも役立つことがあるかもしれません。もし海外の役者さん、歌手、アスリートがお好きであれば、一度外国語でのファンレターにも挑戦してみてください。スキルアップにつながるでしょう。

外国語が分らなくても、お決まりの文句だけ調べて、簡単に手紙に書いて送ることもできます。相手の母語を調べ、その言語で一言でも二言でも書いて送ることで、とても頼もしいファンレターになります。気をつけたいのは、世界にはいろんな慣習があります。特定の色に拒否反応を示したり、意味なく飾りに書いた記号に嫌悪感を持つ文化もある、と念頭に置き、出来上がった手紙が失礼にならないよう、調べてから送りましょう。

現在は、大抵の著名人が何らかの事務所に所属しています。ファンレターのあて先は、その事務所が公表する住所になります。ほんの少しの言葉の取り違いで、大好きな方が幸せにもなり、不幸にもなると心してお手紙を書きましょう。心無い言葉が人を不幸にすることを、私たちは忘れるべきではありません。逆に、顔を見たこともない相手からの暖かな言葉が、その人を幸せにすることもあるのです。