中学生の読書感想文の書き方や例文・文例・... | 文章や手紙などの書き方　書き方ラボ

読書感想文は小学校時代から夏休みの宿題として出される可能性が多いというのが現状でしょう。小学校ではなく、中学生の読書感想文はなかなか珍しいと言わざるを得ないのが現状です。中学生になれば、勘の鋭い人間は、入学して少し経てば高校入試を考えだします。ですので、その書式としては、小学校の延長でも充分に通じると考えて差し支えないでしょう。また、文屋で生きることを考えだしたのなら、この宿題は最高のツールとして利用できるでしょう。

そう遠くない近未来の戦争物の小説を手に取りました。この小説は、悲運にもめげずに幸福な明日を信じる主人公サラが、父母を殺害された恨みを晴らすために、大きな組織に対し復讐するという物語です。主人公サラは、確かに復讐を果たしましたが、その心の中には空ろな感情しか残りませんでした。やられたらやり返す、普通のように見えますが、余り良い感情を与えないものだと感じました。

坂本竜馬の姉の手紙という内容の本を手に取りました。ノンフィクションであるこの本の中には、竜馬の突飛な生き方を心配した姉が、手紙を月に一回程送っていたという内容でした。この本から分かったことは、あの大人物、坂本竜馬でさえ、姉には逆らえなかったといった真実です。亭主関白が少なくなったと言われますが、本当は元から少なかったというのが正しいのではないでしょうか。

中学生の読書感想文の例文雛形は、インターネットにも掲載されていますが、基本的に小学校五、六年生とそう変化はないものと思われます。坂本竜馬の姉の手紙はノンフィクションの小説の読書感想文ですが、竜馬の一生など、概ね知られているため、くどく書く必要はないでしょう。それより、この小説のどの部分に魅かれたを重点的に記すことが重要になってくるでしょう。

中世の人々の話し言葉についてという本を手に取りました。平安貴族の話すスピードなどが、ＣＤに収録されており、それを聞きながら本を片手に文字を追うといった読書法です。これを聞くと、平安貴族とは実に優雅な話し方をしていたことが理解できます。現代の方々の方が話すスピードは平安貴族の三倍から四倍程であること、単語としては劇的に変化を遂げたものもあるが、概ね、今と同様であることに驚きを感じました。

中学生の読書感想文には、推薦作品というものが書店などに並んでおりますが、その多くは小説です。説明文や論説文というのは、ある意味学者の領域とされているためか、少ないのが現状でしょう。しかし、自身の興味の範囲で論説文を購入して読書感想文を書くとすれば、重箱の隅を突っついたような部分をことさらに強調して、纏め上げるというのは飽きがくるためご法度です。

大江戸捕り物帳という小説を手に取りました。これは、江戸時代の奉行所に勤める勤番役人、いわゆる現在の警察官の物語です。この小説を読み、現在の経済システムや社会機構、警察制度などの殆どは決して、明治時代に入ってからの欧米の物まねではなく、江戸時代から連綿と続くシステムを、明治新政府が世界に通用する様に纏め上げたといった方が正しいという結論に達し、驚きを隠せません。

歴史小説の中学生の読書感想文の場合、余り、名前の知られていない戦国大名や、歴史を習っても、今一良く分からない時代を書いた小説は、始めから読書感想文の対象から外す方が賢明です。先生ですら予備知識がないので、よく思われない可能性が強いからです。歴史的人物では織田信長や秀吉、家康、伊達政宗くらいでしょう。時代ならば、室町時代や平安時代後期などは外すべきでしょう。

アラビアの砂漠の果てでという小説を手に取りました。これは、サウジアラビアのメッカに巡礼する家族の物語で、巡礼のための旅費を得るための家族の涙ぐましい努力と、念願かなって巡礼できた喜びが詰まった玉手箱と言えるでしょう。これを読み、メッカ巡礼といった一つの目標を共有することの困難さや、それを乗り越えると、家族が一体になれることを学びました。

外国の小説、または外国を舞台にした小説の場合、一般に知られていない場所で起きた出来事や、一般的に知られていない作家の書いた小説は、購入自体を避けるべきでしょう。それはやはり、担任の先生が理解できない可能性が強いという前に、自身が全て理解できていない可能性が強いからです。外国は交通システムを始め、生活習慣自体が日本とまるで違います。それらを理解出来た上で読まなければならないというのは中学生にとっては酷な話です。

咲の目の中にという恋愛小説を手に取りました。主人公が好きになった女性、咲は主人公と初めて会った時に目を見られました。三十秒くらい見つめ合い、それを繰り返している内に、付き合い始め、破局を迎えたという内容です。これを読んで、私の初恋のことを思い出しました。確かに初めて会った時は、目をジッと見詰めます。初恋の人は大抵そうでしょう。破局を迎えた後も、絶望感にさいなまされたことなど、初恋の良き思い出です。

恋愛小説を読書感想文の課題として選択することはいかがなものかと思いますが、無いわけではありません。何にも興味を示さなくても、恋愛に興味を示さない人間など、居よう筈がないのですから、これはこれでよいと思います。但し、余りに過激な内容のものは、ご法度です。まだ中学生だからというのもありますが、時と場合によっては、発表させることもあると思われますので注意が必要でしょう。

中学生の読書感想文では、まず課題図書というのが選定されている場合が多いことがあげられます。これは、この課題図書の中のものを教育員会、書店などで推薦しているよとのことだけであって、強制ではありません。また、課題図書以外を選ぶ場合でも、変に大人びたものは、先生自体も理解できない場合があるということを念頭に入れるべきです。歴史小説などは注意が必要です。

中学生のみならず、読書感想文は全般的に、最初に粗筋を書かなければ、何を言っているのか分からない支離滅裂な文章になってしまいます。この粗筋をいかにコンパクトに纏め上げるかが重要になってくる訳です。中には、粗筋だけで既定枚数の殆どを使ってしまう人もいますが、それは読書感想文とは言わずに、ただ読んだ小説をまとめた文章ということになってしまうので注意が必要です。

読書感想文の書き方のポイントとしては、あらすじを短くそして分かり易く書くことが重要で、その後に、感動した部分をピックアップして、どの部分に感動したのかを詳細に記すことが重要になってくるでしょう。また、歴史小説などで無名な大名や、良く知られていない時代などが書かれた小説などは、課題として選択しないとの勇気が求められます。書いた本人も理解できずに書いている可能性が強いからです。